石川 良子 院長(なないろこどもとアレルギーのクリニック)のインタビュー

なないろこどもとアレルギーのクリニック 石川 良子 院長

なないろこどもとアレルギーのクリニック 石川 良子 院長 RYOKO ISHIKAWA

免疫学への興味から患者さんと接する臨床医学の道へ

もともと私は免疫の研究をしたいと考えていました。理学部か生物学部をイメージしていたんですが、実はそういった生命科学の研究ができる場所が医学部なんです。それで医学部に入学したので、最初は臨床医になる気持ちは全くありませんでした。しかし、5年生の時に受けた病棟実習で患者さんと接する面白さに気付き、臨床医になることを決めたんです。小児科を選んだのはもともと子どもが好きだったということもあります。大学入学のきっかけとなった免疫やアレルギーを中心に学びました。群馬大学医学部卒業後は昭和大学病院、総合高津中央病院、都立荏原病院各病院で免疫やアレルギー疾患を専門に小児科診療をおこない、研鑽を積みました。臨床のかたわら、国立成育医療研究センター研究所で免疫アレルギー研究部に所属し、研究にも携わりました。出産・育児をする中で、アレルギー疾患やお子さんの体調不良で悩む親御さんに、より身近な立場で力になりたいと考え、開院を決意。2018年10月、宮前区に『なないろこどもとアレルギーのクリニック』を開院いたしました(東急田園都市線「鷺沼駅」から徒歩12分)。川崎は私の地元で、ここはもともと別の先生が小児科をされていたこともあり、昔からなじみがある場所です。たまたまご縁があり、開院のお話をいただいたのですが、その場所を引き継いで小児科医をできることはとても嬉しいですね。「以前この場所に通ってたんです」というお話を、来院されたお子さんやお母さんとすることもたくさんあります。

街の「子育て“ほっ”とステーション」にしたい

クリニックを作る際に目指したのは「自分が行きたいクリニック」であることです。私も子育てをしていることもあり、母親として子どもを連れて行きたい所にしたいと考えました。そこで、デザイナーさんや建築業者さんにお願いして、北欧のような空間をイメージしてデザイン。天井を高くして圧迫感がないように設計していただき、外観も内装も医療機関に見えないクリニックを目指しました。木のような質感を持つ素材を多く使い、床や診察室やトイレの表示なども木の温かみを活かしてオリジナルデザインで作成しています。受付の近くにはキッズスペースも完備しています。実は私は「おもちゃインストラクター」の資格も持っており、キッズスペースでは毎月おすすめの絵本やおもちゃなどをご紹介してます。お子さんだけでなく、お母さんも癒されるものをチョイスしています。また、クリニックに隣接して駐輪場もありますので、自転車やベビーカーでもお越しいただけます。このクリニックには私が子育ての時に感じた思いを込めています。それは、日々家のことや仕事、子育てに追われるお母さんに“ほっ”と一息ついてもらいたいということです。私が出産後、ベビーマッサージの教室に足を運んだ時のことなんですが、一緒に参加したお母さんが講師の先生に「泣き方は大丈夫なのか」「こういう動きはどうなのか」など、いろいろ赤ちゃんのことを相談していたんです。やはりどんな場面でもお子さんのことは常に気にかかるのが親なんですね。医師には直接質問しずらいことをこういう場で皆さん相談されるんだということが分かり、それなら私がベビーマッサージやベビーヨガの教室を開けばもっとお役に立てるかな…と考えたんです。
ですからクリニックは単に診療するだけでなく、足を運んでくださるお子さんやお母さん方を癒したい場所にしたいと思っています。私は公認のベビーマッサージ・ベビーヨガのインストラクター資格も持っておりますので、将来的には、院内のスペースを利用して地域の方に向けた教室を開催できればと考えています。病気の時以外にも集まれる「街の子育て“ほっ”とステーション」として、癒しの時間・空間を提供していきたいですね。

アレルギー・免疫学専門医の経験を活かした小児診療

当院では、お子さんの風邪の諸症状や発疹、腹痛、頭痛、便秘といった日常の体調不良やアレルギー疾患など、幅広く診療をおこなっています。特にアレルギーや免疫疾患は、日本アレルギー学会の専門医としてさまざまな医療機関で治療や研究に携わりました。専門医の知識と経験を活かし、食物アレルギー・気管支喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・花粉症・アレルギー性結膜炎などのお悩みにお答えします。小児科は赤ちゃんから中学生まで、アレルギー疾患に関してはお子さんの悩みだけでなく、ご家族の皆さまもご相談いただけます。もちろん、各種予防接種や乳幼児健診もおこなっておりますので、お気軽にご相談いただきたいですね。診療では、患者さんや親御さんが一番何を辛いと思って来院されたのかを大切にしています。たとえば、鼻水が出ているという症状一つにしても、眠れない、食べられないことに困っていたりするんです。お子さんご本人には苦しさと取ってあげること、親御さんには心配の原因を解決してあげたいですね。そのためにも診察に合わせて、まずは不安に思っていること、お困りのことについて詳しくお聞きするというのが当院の姿勢です。

アレルギーの専門家として、必要最小限、負担の少ない治療を提供する

免疫やアレルギー疾患では、治療について慎重になる方が多いですね。食物アレルギーであれば原因となる食べ物を除去して食べさせない、アトピー性皮膚炎であればステロイド剤は怖いものだから使いたくない、といったように、お子さんを心配するあまり、治療について極端に考えてしまうのかも知れません。必要以上に給食や外食が制限されるのはお子さんにとってかわいそうなことです。除去を続けたまま大きくなってしまう方も大勢いらっしゃいます。しかし、医療は研究が進み、常識は日々変わっています。ステロイド剤は適切に使用すれば怖いものではありませんし、食物アレルギーも少しずつ慣らしていくことが可能です。当院ではステロイド剤なども効果的に治療が進むよう適切に使用するようにしています。食物アレルギーに関しても、必要最小限、最短期間の食物除去であることを大切にし、血液検査のみで診断するのではなく、詳しい問診と血液検査や皮膚検査を参考に、最終的には食物負荷試験をおこなって診断しています。リスクの高い方には昭和大学病院と連携して試験をおこないます。定期的に除去品目を見直し、食べる品目を再評価。患者さんに合ったアレルギー治療を進めていきます。また、スギ・ダニアレルギーをお持ちの小学生以上のお子さんや大人の方を対象に、体質を改善し根治を目指す舌下免疫療法をおこなっています。専門家の視点から適切な治療を進めていきますので、アレルギー疾患全般でお困りの方はご相談ください。

これから受診される患者さんへ

いらっしゃる患者さんにお話をお聞きすると、「こんなことで相談していいのかな」と考える方がいらっしゃいます。何か具体的な症状があって、薬がでる病気じゃないと受診しちゃいけないのかなと思ってしまうようなんですね。「鼻づまりなんだけど相談してもいいのかな」という方もいらっしゃいますが、小児科医から見ると鼻づまりを吸引して様子を見るのも立派な医療です。ほかの子と比べて走り方がおかしい、成長が遅い気がする…など病気のこと以外のちょっとしたご質問でもかまいません。困ったことを相談するのも医療の一つと考えています。当院はおまたせする時間が長くならないようにネットでの予約を基本としております。地域のかかりつけ医として、子育ての相談できる場所として気軽に足を運んでいただきたいと思います。

※上記記事は2018年11月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

なないろこどもとアレルギーのクリニック 石川 良子 院長

なないろこどもとアレルギーのクリニック石川 良子 院長 RYOKO ISHIKAWA

なないろこどもとアレルギーのクリニック 石川 良子 院長 RYOKO ISHIKAWA

  • 好きな音楽: ミュージカル関連、ジブリ関係など
  • 好きな場所: カフェ、温泉
  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味: 観劇(ミュージカルなど)、かわいい子供服を探すこと
  • 好きな映画: 子供とみるディズニー映画、ジブリ映画
  • 座右の銘: 笑う門には福来る

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