小林 明美 主任講師(きものレディ着付学院 溝の口校)のインタビュー

きものレディ着付学院 溝の口校 小林 明美 主任講師

きものレディ着付学院 溝の口校 小林 明美 主任講師 AKEMI KOBAYASHI

着付け講師を志されたきっかけと、現在までの経緯について教えてください。

今から15年ほど前のことですが、娘が「能」を習いはじめまして、振袖を着つける機会がありました。美容師だった母には娘の頃ちょくちょく着つけてもらっていましたから、そのときの記憶を元に見よう見まねでできると思っていたのです。心もとない分は副読本で補いながらと思ったのですが……なかなか難しくうまくいきませんでした。悪戦苦闘しながら2時間かけて着せた頃には、演者である娘が貧血を起こして倒れてしまいました。
その後も着付けをする場面はちょくちょくあると思いましたので、「このままではまずい」と当学院の門を叩きました。幸い無料レッスンがあったので即座に入門し、無料レッスン修了後も「自分で着れるようになるまで頑張ってみてはどうですか」と励まされてその先のコースにも進みました。すると学びが進むほど着物の魅力や奥深さに憑りつかれるようになり、のんびりと楽しみながら上級コースまで続けたところで、先代の主任講師から声をかけていただいて次期主任を仰せつかりました。

ここまで続けてこられたのは、良い先生・仲間に巡り合えたことですね。先代のレッスンが楽しかったことも、講師を引き継ぐことを決意するきっかけになりました。また少々「負けず嫌い」のところがあったかもしれません。ほかの方が知っていらっしゃることなら自分も知りたい、自分も着てみたいと思いながら学びを進めてきました。

各コースの概要について教えてください。

まず最初にお越しいただいた方には、本科で体験レッスン8回(3か月)を無料(ただし教材費・管理費として別途2700円をご用意ください)で受講していただきます。着物はお手持ちのものがない場合はレンタルでご利用いただけますが、下着のみご自身でご準備ください。本科では着物全般についての基礎知識と普段着の着付け、正装用の帯結びまでを身に着けていただきます。そして体験レッスンで「楽しい」と感じていただけた生徒さんは、専攻科(有料)にお進みいただきます。
本科では着物についてざっくりと総論を学んでいただきますが、専攻科以降ではそれぞれの着物について、専門的に深く学んでいきます。ただし、まずは自分でささっと着られないと楽しくありませんので、最初は道具などを使い素早く簡単に着るところから始めます。そして着物の取り扱いに慣れてきたところで、道具を使わずに加減しながらきちんと着る方法を学びます。

さらにご家族に着物を着せてあげたい、あるいはプロとして着付けをしたい、さらには着付けを生徒さんに教えたい……といった用途に応じて師範科、経営師範科、研究科、研究専科といった上級コースにお進みいただきます。それぞれのコースでは知識・技能に応じた講師認定資格があり、段階を追うごとに資格の級数が上がっていきます。

着物や日本文化について学ぶイベントがあるそうですが、詳しくお聞かせください。

まずは日本全国にある染物や織物の産地を見学するツアーがあります。茨城県結城市では国の重要無形文化財でもある結城紬、沖縄では紅型、花織、久米織、芭蕉布など多彩な反物の製造過程について学びます。また京都には着物を中心に、四季折々のさまざまな文化を楽しむ旅行に出かけます。そのほか歌舞伎を観劇する、美術館を巡る、地域のお祭りに参加する、お茶会を楽しむといった行事があり、生徒さん同士や講師の先生方とで交流を深めていただいています。

和装の魅力についてお聞かせください。

わたしは15年ほど着物について学んでまいりましたが、言葉ひとつで言い表せないほどの幅と奥深さがあり、知れば知るほど面白いと感じます。先ほどイベントの項でもお話した通り産地の方、問屋の方、作家さんからいろいろ話を伺う機会があるのですが、ひとつの反物、着物が気の遠くなるような細かい作業を経て作られていることがわかります。それぞれのお品物は、消費者目線で見ると「高い」とお感じになると思うのですが、製造工程を知るとそれだけの価値があることがよくわかります。そしてそのような工程を経てきたからこそ、何代にもわたって受け継がれ大切に着ることができます。着物として着ることができなくなったら、羽織り、帯、洋装のコートなどほかのものに縫い直し、長きに渡って着用していきます。
着物は直線断ちが多く一見単純に見えますが、それぞれの部位に着目しますと実にち密な計算の元に作られています。例えば袖端には「丸み」がありますが、これもその着物の用途、生地や織の種類などを基に計算されています。学び進めるほど「難しさ」がありますが、一方でそれが楽しみに変わっていきます。

また着物は日本の四季に応じて様々な素材、織り方、作り、着方があります。学んでいきますと、実は「機能美」にも優れた衣服であることがわかるのです。

レッスンの際心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

レッスンをしていていつも思うことは、【1】自分の持っている知識を何とかみなさまにお伝えしたい、【2】生徒さんが少しでも楽しいと思ってくださる授業をしたい、の2点です。雨の中せっかくいらしても楽しいことがなければ気持ちが落ち込んでしまいます。しかしそんなときひとつでも「よいことを聞いた!」と思っていただけるなら講師冥利に尽きます。またわたし自身が仲間と先生に恵まれてここまで続けてきましたから、この楽しさを是非生徒さんにもお伝えしていきたいです。
地域のみなさまには、どうかお気軽に当院の門を叩いていただけたらと思います。親御様から引き継いだ着物があるけど自分で着てみたい、あるいは七五三や成人式のときお子さんに自分で着せたい……といった様々なご要望があると思います。体験レッスンが無料で受講できますから、是非お気軽に足をお運びください。入会金・本科お試しレッスンともに無料です。また着物の販売や営利目的の研修といったものはありませんので、安心しておけいこができます。

※上記記事は2017年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

きものレディ着付学院 溝の口校 小林 明美 主任講師

きものレディ着付学院 溝の口校小林 明美 主任講師 AKEMI KOBAYASHI

きものレディ着付学院 溝の口校 小林 明美 主任講師 AKEMI KOBAYASHI

  • 好きな本: ハッピーエンドで終わるスリラー、サスペンス
  • 好きな映画: ハッピーエンドで終わるもの。特にディズニーの実写物など。
  • 好きな音楽: クラシック
  • 好きな場所: 自宅
  • 生年月日: 1948年5月5日
  • 出身地: 東京都
  • 血液型: O型
  • 趣味: 家でペットと遊ぶこと。猫12頭、犬1頭と暮らしています。

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