高橋 俊光 院長(たかはしクリニック)のインタビュー

たかはしクリニック 高橋 俊光 院長

たかはしクリニック 高橋 俊光 院長 TOSHIMITSU TAKAHASHI

順天堂大学医学部を卒業後、大学院に進んで博士号を取得。勤務医として8年にわたって経験を重ね、「宮崎台駅」そばに開業。

診療項目と診療方針について教えてください。

診療項目は、内科、糖尿病内科、小児科、アレルギー科、リウマチ科です。内科全般を担当させていただいていますが、大学院では膠原病をはじめとする自己免疫疾患を専門としていましたので、アトピーなどをお持ちの患者さんも多く見えられます。
診療方針は「患者さんに寄り添う医療」です。長年臨床に携わっていますが、人への興味は尽きることがありません。わたしが医師として患者さんにご提供できることは医学をベースにした治療ですが、この治療という「回答」に行きつくまでに、患者さんをさまざまな「見地」から把握するためにインタビューをしています。さらに医学以外に、心理学など、人間に関するさまざまな学問領域の存在も大切にし、患者さんを取り巻く「環境」を包括的に理解したいと考えています。

持病のある患者さんの生活について、どのようなアドバイスがありますか。

病気の中には当然、治らない病気や、付き合っていくしかない病気もあります。そのときその病気をどう捉えていくかを考えることも、治療に大きな意味を持ちます。病気を持っている患者さんの多くは、「病気を悪」だとして考えています。病気の存在が心の中に占める割合が大きく、ひたするら忌むべき存在だと思っている方も少なくありません。当然そこには大きな「不安」がいつもつきまとっています。
しかし病気は、その患者さんにおけるひとつの「イベント」と捉える考え方もあります。人は生きていく以上、大なり小なり何らかの「病気」に遭遇します。しかしそれは、仕事で転職をした、引っ越しをした、子供が生まれた....など人間の一連の営みのひとつであると捉えるとその後の過ごし方、気持ちの持ちようが楽になることもあります。

そこで医師は、より患者さんの内情に迫って寄り添う「全人的医療」に取り組む必要があると考えます。患者さんに寄り添い、できる限り不安を取り除く治療を目指すのであれば、その方を多角的に捉えるための勉強が大切です。

医師として喜びを感じるのはどのようなときですか。

「ファミリー・ドクター」としての醍醐味を感じるときですね。わたしは開業前に訪問診療に携わってきたのですが、その際患者さんと「家族ぐるみ」のお付き合いをさせていただいていました。病院にお見えになるときの患者さんと向き合っている時では分からないようなことも、訪問診療であれば、患者さんの生活環境やご家族との関係を目の当たりにすることになります。わたし自身がご家族の在り様にいろいろ感銘を受けることも多かったのです。
親子関係を中心とした生育暦は健康に極めて大きな影響を与えます。多くの方はその潜在性を意識することがありません。そうした問題点を解決して病気を改善するとともに人間としての成長を見る時に感銘すら受けることがあります。

具体的な治療についてもお聞きしたいのですが、「プラセンタ治療」について教えてください。

「プラセンタ」は胎盤から安全に抽出したものです。この胎盤を無毒化したエキスを注射して、細胞組織を活性化する治療です。プラセンタに含まれるたんぱく質が免疫学的に効能があることが知られており、状態を健康にする各種症状に対して広く用いられています。具体的な効能としましては、肩こり、肉体疲労の回復、皮膚の正常化といったことが挙げられます。

診察で心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。

まず診察で心がけていますことは、今自分ができることで、患者さんの最大のメリットになるかについて考えることです。どのような措置をしたら、現在ならびに将来的に患者さんのメリットになるかということです。しかし患者さんが望まれることと、自分が考えるベストな治療法は必ずしも一致するとは限りません。そのときは、医学的観点、患者さんの置かれている環境、将来の患者さんの体への影響など複数の見地からご説明したうえで、患者さんのご要望との合致点をすり合わせていきます。しかし1時間もお取りしてこうした話し合いを持つことはできません。限りのある時間の中で意思の疎通が図れるよう、よりよい伝え方についても考えています。
また、患者さんをお待たせしない仕組みも導入しました。携帯電話やパソコンで待ち状況を確認できる「アイチケット」です。この診療所では、不調を感じた患者さんがすぐに来院できるよう、予約制を取っていません。ところが診療で話し合いが長くなれば、待合室で患者さんをお待たせすることになってしまいます。そこで「アイチケット」を取り入れて混み具合を公開し、患者さんが拘束されることなく時間を有効利用できるようにしました。待ち時間が長ければ、その分ご自宅でやり残した仕事を片付けたり、お子さんと接する時間にあてられるわけです。

みなさまにお伝えしたいことは、とにかく健康になりご自身が考える「幸福」を実現していただきたいことです。「幸福」の姿はおひとりずつ異なりますが、自分なりの「幸福」が必ずあるはずです。その姿が見えにくくなったとき、わたしは再び見えるようになるためのお手伝いをさせていただけたらと思います。

また漠然と抱えていらっしゃる不安にも様々なものがあります。しかしやや大げさにお考えになっているケースも少なくはありません。また理屈で考え過ぎていらっしゃることも多いのではないでしょうか。生きることはもっとシンプルなことです。こうしたことを少しずつご理解いただけるよう、根気よくお伝えしていきたいと思います。

※上記記事は2014.9に取材したものです。

たかはしクリニック 高橋 俊光 院長

たかはしクリニック高橋 俊光 院長 TOSHIMITSU TAKAHASHI

たかはしクリニック 高橋 俊光 院長 TOSHIMITSU TAKAHASHI

  • 【略歴】: 内容
  • 1989年: 順天堂大学医学部卒業
  • 1995年: 順天堂大学大学院卒業。医学博士授与。
  • 1997年: 柳橋病院勤務
  • 2005年: たかはしクリニック開業
  • ※: 内科学会・小児科学会・リウマチ学会に所属

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