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有馬動物病院

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尾上 多嘉子 院長
インタビュー
尾上 多嘉子 院長 オガミ タカコ
TAKAKO OGAMI
有馬動物病院
生年月日:12月12日
出身地:広島県
趣味・特技:海外旅行、特に南欧が好きです。
好きな場所:イタリア、フランスなど歴史のある国、美術館
1966年3月:日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)卒業
同年4月:日本医科大学 臨床検査室に勤務
1967年秋:退職
1973年:川崎区の竹原獣医科にインターンとして勤務
1975年:自宅の川崎市宮前区東有馬で開業
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■獣医師を志されたきっかけと開業までの経緯について教えてください。
子供のころから動物が大好きで、よく捨て猫を拾ってきては両親からしかられていました。その後何とか説き伏せて飼うのですが、短命で悲しい思いをたくさんしました。自分の手でどうにかしたいと思ったことがきっかけです。大学卒業と同時に獣医師の資格を取得しましたが、開業までは紆余曲折がありました。当時は獣医師の開業医が少なく、仕事も激務だったのです。そこで獣医師になるための構想を暖めながら、まずは大学で臨床検査技師になるところからキャリアをスタートさせました。その後縁あって大学教師の主人と結婚し大学も退職しましたが、結婚生活と獣医師を両立させることはなかなか難しく、そのうちに娘が生まれました。
獣医師になることをあきらめ切れなかったわたしは、同居する両親が5歳になった娘の世話を引き受けると申し出てくれたことが契機となり、開業の準備に踏み切ることができました。決心してすぐ川崎区の竹原獣医科で2年間インターンとして勤務した後、自宅で開業しました。当時は動物病院が少なく、昼夜を問わず飼い主さんのご要望に対応しなければならなかったため、やはり激務でした。お預かりして治療もしていましたので、夜中は子供の泣き声よりも、犬の鳴き声や飼い主さんからの電話で起こされることが多かったです。望みをかなえるまでは時間がかかりましたが、これまで支えてくれた両親、主人、子供には本当に感謝しています。

尾上 多嘉子 院長 尾上 多嘉子 院長

■診療内容と方針について教えてください。
わたしが考える一番の診療ポリシーは「家庭医をめざす」ということです。開業当初から訪問診療に力を入れ、訪問先でたくさんの動物を診てきました。先にお話しましたように、当時は動物病院自体が少なかったため、当院からかなり離れた場所にお住まいの飼い主さんが多かったのです。そしてペットだけではなく飼い主さん自身がご高齢またはご病気であること、車を持っていらっしゃらないことなどの理由から、わたしが自ら運転して訪問してきました。現在はペットをこちらに連れていらっしゃる方が増え、比較的楽になりました。
 当院はそんな時代から動物を診させていただいているため、豊富な経験と知識でさまざまな科目に対応させていただいています。ご相談をお受けしますので、いつでもお連れいただきたいと思います。

■開業されて40年だそうですが、その間のペットや飼い主さんの移り変わりについてお聞かせください。
尾上 多嘉子 院長開業当初と現在とでは飼い主さんのペットへの認識や知識量がまったく違います。昔は治療の内容をご説明しても理解しようとされない方がいらっしゃいましたが、それ以前にペットの扱いがひどくて診療していていたたまれなくなることが多々ありました。ある日ヒラリアに罹患し重症化した犬を連れて飼い主さんがお見えになりました。状況をご説明し、まずは対症療法で少し元気を取り戻した後根本的な治療をしましょうとお伝えしたところ、「何も言わずに重症化させたこの犬が悪いのよ!」と言って引き綱で犬を殴りました。見ていられなくなったわたしは、飼い主さんを叱りました。その後その方は腹を立て二度とお見えになりませんでした。こんな風に、動物を飼う資格すらないような方が多かったのは事実です。
現在は動物についてかなり勉強し、熱心に知識を習得されている方が多いので、以前とはずいぶん変りました。ただ反対に、必要以上に気にかけたり溺愛される方が増えましたね。また「ペットロス」にかかる方もいらっしゃいます。「ペットロス」が厄介なのは、かかりそうな方がかからず、かえって安定して見えた方がかかってしまうことです。ペットが死んでしまい「もう二度と飼わない」と号泣していた飼い主さんが、ほんの数週間後「いやぁ、また飼っちゃいました」とおっしゃって子犬や子猫をお連れになります。一方で感情的に起伏の少ない方が重症化してびっくりすることがあります。「ペットロス」は、家族やお子さんの有無に関係なくかかるようで、お子さんがいらっしゃらない方のほうがかかる割合が多いように考えられることもありますが、実際はほとんど因果関係はありません。ただわたしが飼い主さんにお会いしてよく思うことは、男性のほうが心配や悲しみの度合いが大きいことです。病気のときは仕事の合間に頻繁に電話で確認し、死んでしまったときはどこか「心の拠り所」がなくなってしまったように悲しまれます。

■診察で心がけていることについて、教えてください。
まずは、飼い主さんに病気の原因や治療方法をきちんとお伝えすることです。そして経済事情や体力を含む飼い主さんのご都合をうかがった上で、それに見合ったできる限りの治療をさせていただくことです。どんな状況でも最善を尽くさせていただきたいので、動物・飼い主さんいずれもしっかりと状況を把握しようと思います。

■最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。
伝えたくても人間に意思を伝えられない、あるいは痛みがあってもがまんする動物がいます。どうか彼らに心を砕いていただきたいのです。動物は人間の言葉が8割ほどわかるそうです。たとえば出かけるときも、「留守番よろしくね」「すぐ帰ってくるね」といった声をかけるだけで、彼らはみなさんのお帰りを安心して待つことができます。そんな風に気持ちを交わすだけでも、動物との関係はぐっとよくなるはずです。

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